「スウィニー・トッド」

 スウィニー・トッド(ジョニー・デップ)は15年ぶりにロンドンに戻る。今のスウィニーは15年前のスウィニーとは違って復讐鬼になっていた。当時スウィニーはベンジャミン・バーカーとして美しい妻ルーシー(ローラ・ミッシェル・ケリー)と一人娘の3人で理髪師をしながら幸せにくらしていた。ところがルーシーに目を付けたターピン判事(アラン・リックマン)はベンジャミン・パーカーを無実の罪に陥れルーシーを自分のものにしようとした。15年間復讐のみ考えてきたベンジャミンすなわちスウィニーはパイ屋の2階にある以前の自分の理髪店に戻ったところ、パイ屋の女主人ミセス・ラベット(ヘレナ・ボナム・カーター)はスウィニーがベンジャミンとは知らずに彼の妻ルーシーがターピン判事に辱めを受け、毒を呑んだこと、娘はターピン判事に閉じこめられていることなどを語った。スウィニーは怒りを露わに復讐を誓うのである。理髪師の彼がターピン判事を殺すには自分の理髪店に来させてカミソリで首をきることである。まずスウィニーは自分の名を売るために、当時名の売れていた理髪師ピレリ(サシャ・バロン・コーエン)に挑戦し勝利を納める。ピレリは見習いのトピー(エド・サンダース)を連れて、スウィニーの理髪店にやって来てスウィニーがベンジャミンであることをターピン判事に伝えると言ったので手始めにピレリを殺した。スウィニーがベンジャミンであることを知り、スウィニーを愛したミセス・ラビットは人間の肉をミンチにして肉パイを作ることを思いたち何も知らないトピーを弟子にして人肉パイを売り出すのである。おいしい肉パイと評判がたち、スウィニーは身寄りのない人間を次から次ぎに殺しミセス・ラベットはそれを肉パイにして売りまくった。スウィニーはターピン判事に会う機会を待ち、ミセス・ラベットは富みを得るのである。スウィニーがロンドンに帰る船のなかであったアンソニー(ジェイミー・キャンベル・バウアー)がターピン判事に閉じこめられているスウィニーの娘ジョアナ(ジェイン・ワーズナー)を愛してしまい、ターピン判事もジョアナを愛していたため、怒ったターピン判事がジョアナを精神病院に閉じこめてしまった。そのことを聞いたスウィニーは一計を案じ自分の変わりにアンソニーを精神病院に行かせ、患者の髪を貰うときにジョアナを救い出すよう教えてその後ジョアナを理髪店まで連れてくるよう伝えた。その情報をターピン判事に伝えたら判事はスウィニーのところに必ず来るとスウィニーは考えた。前回たまたまアンソニーにターピンへの復讐を邪魔されたが今回は見事に成功する。しかしそれを目撃した物乞いの女まで殺したが、実はその女性は変わり果てたルーシーであった。ミセス・ラビットに毒を呑んだと聞いていたスウィニーはてっきりルーシーが死んだと思っていたが生きていたのであり自分の手で妻を殺してしまった。怒り狂ったスウィニーはミセス・ラベットを殺し、最後にトピーによって殺されてしまう。
 復讐や残虐さは結局自分を一層悲惨にさせるということだろう。