パラサイト 半地下の家族

 韓国大都会の半地下は資本主義社会で仕事を失ったり、学校にいけなかったり経済的に苦しい家族が住むような家で雨の日は水が流れ込み、普段は日当たりが悪く電波が悪い住居である。父親のキムギテク(ソン・ガンホ)は失業中、息子キムギウ(チェウシク)は大学浪人中、娘キムギジョン(パクソダム)は美大に行きたい浪人生である。
 あるとき大金持ちパクドンイク(イソンギュン)の高校生の娘パクダヘ(チョンジソ)の家庭教師をしているキムギウの友人ミニョク(パクソジュン)が留学するため帰ってくるまで代わりを頼む。ギウは受験を何回もしているので英語は得意である。有名大学の学生ということにして素直な奥さんパクヨンギョ(チョヨジュン)に気に入られる。娘ダヘの小さい弟パクダソンの美術の先生に有名な画家という触れ込みでギウの妹ギジョンを絵の先生にする。さらに今までのお付きの運転手を主人ドンイクの車でセックスをしたかのように罠をかけやめさせて新しい運転手として父ギテクを潜り込ませる。長年勤めたお手伝いさんを結核持ちであると奥さんパクヨンギョに誤解させ代わりにギムの母キムチュンスク(チャンヘジン)を家政婦に採用させる。こうして半地下に住んでいた家族は対照的な邸宅に住んでいる大金持ちの使用人や家庭教師になってかなりの経済的ゆとりを持てるようになる。
 ある日パク一家は息子の誕生日にキャンプに出かける。キム一家は主人のいないうちにパク家の邸宅で贅沢な飲食をしていた。そこに元家政婦のムングァン(イジョンウン)が雨の中やってきて実はこの家には防空壕があって、そこに自分の夫がずっと地下生活していると言う。夫は商売に失敗して借金取りに追われるくらいならこの地下生活の方がましとういことで妻のグァンが食料などを与えていたりした。しばらくここに住まわせてと母のチュンスクにたのむ。地下でこの話を聞いていた父ギテク妹ギジョンとギウはグァンとその夫に見つかり家庭教師、運転手、家政婦が一家でありパク家をだましてこの一家に入り込んだのがばれる。そんなとき雨で急遽キャンプが中止になったパク一家が帰ってきたため、急いでグァン夫婦を地下に閉じ込め母チュンスク以外は這々の体で半地下の家に帰るが大雨でそこは水が押し寄せていた。
 別の日にパク一家は家でパーティを開くことになり、パクの息子のため父ギテクにインディアンの役をさせる。息子ギウ、娘ギジュンも家庭教師としてパーティに呼ばれていた。ギウは地下の様子を見に行ったところグァンの夫が半狂乱になって地下から脱出し、パーティに参加していたキム一家に襲いかかった。娘ギジョンが殺され、息子ギウも殺されそうになったところ母チュンスクが逆にグァンの夫を殺す。そんなどさくさのなかパクドンイクが一家を守るためギテクをあごでこきつかうような態度をしめしたことも加わり、娘を殺され、息子を傷つけられたギテクは放心し、ドンイクを殺してしまう。事件後ギテクは失踪。警察の追跡にも見つからなかったが実は邸宅の地下室に潜んでいたのである。息子ギウは金持ちになってその邸宅を買って父を地下から出してあげようと誓うのである。
 韓国の一家は大変な出来事が起こっても、相当結びつきが強いと感じた。