リチャード・ジュエル

 警備員のジュエル(ポール・オルター・ハウザー)は、コンサートが開かれていた米アトランタの公園で爆弾が仕込まれていたバックパックを発見する。警官がやってきてコンサートの参加者たちを避難させている途中で爆発が起こり、何人かが犠牲になった。
 マスコミは爆弾を発見したジュエルを多くの人を救った英雄としてほめたたえた。しかしFBI捜査官のトム・ショウ(ジョン・ハム)は自分も公園を警備していたため、汚名返上のため犯人を必死で探そうとする。そのときジュエルが以前警備していたピードモント大学の学長からジュエルが問題を起こして大学の警備員をやめていたことがを聞き、さらにジュエルが孤独な爆弾犯という犯人像に一致したため強引に捜査をすすめる。さらにトム・ショウは欲に目がくらみアトランタ新聞記者のキャシー・スクラッグス(オリビア・ワイルド)に情報を流したせいで、ジュエルを犯人として実名入りで記事をスクープする。一夜にしてジュエルは全米で凶悪犯として貶められる。執拗なFBIの操作も行われる。そんな時、以前自分を認めてくれた弁護士ワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)に電話をして弁護を頼む。
 英雄から悪人にされたジュエルと母ボビ・ジュエル(キャシー・ベイツ)はその日からマスコミに追いかけられ、アメリカ市民から嫌がらせの電話や行為が数多くなされる。二人は混乱し参ってしまいそうになるのをワトソンはしっかりささえFBIと対決していく。嘘発見器にみずからかかり潔白を主張したりするうちに、捜査のなかで証拠がみつからないため最後にFBIはジュエルが捜査から外れたと発表する。
 冤罪事件は人間の思い込みから起こる。常に警察とマスコミは冤罪や報道被害を起こさないよう注意し続ける必要があるし、国民も権力・マスコミを監視続けなければならない。