ビリーブ 未来への大逆転

 ハーバード大学法科大学院に入学したルース・キンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は女子学生歓迎会の席で女子が男子の席まで奪って入学した理由を学部長グリスウォルド(サム・ウォーターストン)から聞かれた。当時アメリカも男女差別が結構あった。ルースは女性差別に特に敏感で生涯の課題となる。しかし前途は多難で結婚していた夫マーティン(アーミー・ハマー)が精巣がんを宣告され、当時の医療では5パーセントしか助からないと言われた。負けん気の強いルースは夫の闘病生活を支え、自分の勉強に加え、夫の勉強も手伝い、さらに子育て・家事を必死にこなしたのである。そのかいがあって夫の病気も治り、自分も主席で卒業することになる。しかし法律の実践のため弁護士で生きたかったが女性・母親・ユダヤ系のため13社の弁護士事務所の入社試験に落ちる。実践の道をあきらめたルースはラトガース大学の教授になる。大学ではやはり性差別と法について造詣が深く教えていた。当時女性は残業禁止とか夫の名でしかクレジットカードをつくれないなど性差別を認める法を変える気持ちは持ち続けた。
そんなルースにマーティンはある訴訟記録を見せる。それは親の介護費用を認めてくれなかった男性の例だった。法律は介護をするのは女性の役目という大前提で決まっていた。これを男女平等の憲法違反だと認めさせれば男女平等の第1歩になると考えたルースは自ら無償の弁護を買って出る。
当時米国自由人権協会のメル・ウルフ(ジャスティン・ウルフ)に協力を求めても絶対勝てないと断られ、マーティンのボスにもマーティンに関与は許すが絶対勝てないと言われてしまう。また女性権利のため長年戦ってきた弁護士ドロシー・ケニオン(キャシー・ベイツ)にアドヴァイスをもらいに行ったがまだ社会が変わっていないのでその時期じゃないと追い返される。しかし娘のジェーン(ケイリー・スピーニー)が活動家の集会にアクティブに参加するのを見て刺激されケニオンに訴訟趣意書を送り、その内容に心打たれたケニオンはウルフにもともに闘うよう説得をしてくれるのであった。
この裁判が男女を区別する法すべてに影響すると考えた政府は必死にこの訴訟をつぶしにかかる。最初ルースは自信のない弁論だったが裁判官を敵に回すのではなく、男女差が憲法に違反し、それによって不利益を被る人がいることを理論的に訴え裁判官を納得させるのである。この判決に勝った後男女差別の法案がルースたちによってことごとくなくされていくのである。