家族色

 奥園晶(有村架純)は、夫・修平(青木崇高)とその連れ子駿也(帰山竜成)と東京で仲良く暮らしていたが、夫修平が突然死んだため、鹿児島に住む修平の父節夫(國村隼)に修平の遺骨を返すためと彼の孫駿也を会わせるため、さらに晶は駿也と離れないと約束したため鹿児島の町で仕事を探すつもりでやってきた。過疎化でディーゼルで走る肥薩おれんじ鉄道の運転士がなり手が少ないためさらに節夫が運転士をしていてもうすぐ退職予定のため、晶は運転士になろうとする。
 晶は持ち前の明るさと駿也の母としての自覚から北九州のJR社員研修センターに行って賢明に研修し運転士の資格を取る。そして見習い運転士として、節夫たちに実践訓練を受ける。そんな時駿也は父修平との思い出のキーホルダーを友達にとられそうになり、弾みで友達に怪我をさせてしまう。晶は相手の母親にひたすら謝るだけだったが、佐々木ゆり先生(桜庭ななみ)は一方的に攻める相手の母親に対し、駿也の味方をする。晶とゆり先生は同い年、シングルマザーという共通点があり、意気投合する。見習い中のある日動物をひき殺してしまい、死体を見たとたん、修平の死を思い出して体が固まってしまった晶。周りからは運転士は無理ではないかと思われるが、運転士にどうしてもなるという覚悟次第と節夫に言われる。
 また学校で半成人式という作文で駿也は、義母の晶より修平に生きてほしかったという作文を書き、それを聞いていた晶はショックを受け、何もかもうまくいかない自分に参ってしまい奥園家を出て東京に戻る。修平とよく来ていた鉄道架線橋に節夫が晶を追ってきて、「自分で自分の生き方を決めていい。駿也は任せといて」と言って去るが、最後には晶は鹿児島にもどって運転士になり駿也と暮らす決断をする。