22年目の告白

　被害者と最も近しい人間に殺害現場をみせつけるというおぞましい手口で5人の命を奪った事件から22年がたち、時効になってから突然真犯人曽根崎雅人（藤原竜也）がマスコミに名乗り出て、記者会見はうけるし、本は出版するしマスコミへの露出は極端であった。その犯人にさらにひときわ厳しい目をむけていたのは目の前で先輩の滝刑事（平田満）を殺された刑事牧村航（伊藤英明）であった。さらに曽根崎のパフォーマンスが続き、妻を殺された病院長山形（岩松了）のところに行き謝罪をしてその姿を全国に見せるのであった。ますます有名になり、人気までもでた曽根崎にこの事件を事細かに追ってその後頭角を表したテレビキャスター仙堂俊雄（仲村トオル）が自分の報道番組への出演を呼びかける。仙堂は法律でさばけないならテレビで裁きましょうと言った。
　報道のなかで明らかになったのは滝刑事が殺された、牧村刑事の自宅では牧村刑事の妹牧村里香が行方不明になっていた。その後その報道番組に真犯人と名乗る男が出てきて牧村里香が殺される映像を持参する。その真犯人と名乗る男が間違いなく真犯人と思ったので曽根崎は真犯人に切りかかった。そこでその真犯人と思われた男はただ頼まれただけだとわかる。牧村は仕方なく曽根崎は牧村里香の恋人小野寺拓己（野村修平）で飛び降りて死にそうになったが山形院長のところで助けられ整形して曽根崎に成りすました。そして本当の真犯人をあぶりだすため牧村刑事が計画して山形などの協力のもと、曽根崎が真犯人と名乗り出ることにした。
　失敗に終わったと思った計画だったが、牧村里香が小野寺拓己からもらった婚約指輪のことは誰も知らないはずなのに仙堂だけが知っていたことに気付いた曽根崎すなわち小野寺は真犯人が仙堂だと分かって一人で仙堂を殺しに行く。牧村もインタビューの録画を何回も見るうち犯人が仙堂だと分かる。仙堂は戦場カメラマンであったが、敵につかまりそばで仲間が殺されるという体験をしていて相当傷の深い心的外傷を持っていた。
　心の傷は相当深い場合、自分のコントロールできない傷にはなりうる。