ボクは坊さん

 ボク白方進(伊藤淳史)は弘法大師が開いたとされる四国88カ所の57番目札所の今治栄福寺で生まれる。父は坊主ではなく祖父瑞円(品川徹)が住職である。ボクは高野山大学で学び、阿闍梨の位をもらって、今は地元に帰ってきて書店で仕事をしている。幼馴染の越智京子(山本美月)と桧垣真治(溝端淳平)はボクのことを小さいころから和尚とよんで今でも仲良くしている。檀家の長老新居田明(イッセー尾形)はボクがお寺を継ぐのは無理だと住職に話していた。しかし瑞円が急に倒れ24歳のボクが突然お寺を継ぐことになる。光円と改名しお寺でのいろいろな出来事を経験して初めて学ぶことも多い。あるとき葬儀に参列してくれたお坊さんにわたすお布施をさす??(たっしん)がわからなくて恥をかく。
 幼馴染の京子が結婚することになり仏前結婚式をたのまれ無事にすまし、京子は妊娠する。そのころ高野山大学の同級生栗本広太(濱田岳)が企業に就職したものの仕事に行けずに閉じこもっていると聞いて、実家の寺で副住職をしているもう一人の友人峰岸考典(渡辺大知)と酒に酔っぱらって無理やりお山すなわち高野山に連れて行き学生時代からの行きつけの居酒屋で酔いつぶれてしまう。そこで3人は高野山の教え「母も父もその他の親族がしてくれるよりも、さらに優れたことを正しくむけられた心がしてくれる」という教えを唱えるのであった。
 光円は日々立派な演仏堂をこしらえるなどまだそれほど計画がはっきりしないうちに突き進んで長老などに意見をいわれる日々であった。そんなとき京子が脳出血で倒れ子供が無事に生まれたものの、京子は植物人間になるという悲しいできごとがおこる。京子の主人は京子と離婚し子供を見捨てようとしていたので、真治と抗議にいったが無駄であった。京子の父は飲んだくれで光円は自分にできることはなんなのかと考え京子の子供をお寺で引き取ることにした。真治からはやはりいままでの京子ではないと聞かされたが、ボクは植物人間の京子もやはりいままでの京子と同様心の底では繋がっていると思うと答える。やがて京子の父も働くようになり、光円は長老に認められる。
 そんななか忙しくしすぎたのか突然ボクに過呼吸症候群が起こり、偶然長老の新居田が亡くなった言う報がはいり、当初は代理の坊さんに葬儀を頼もうとしたが、ここは自分を見守ってくれた長老だからこそ力を振り絞って葬儀を執り行う。こうして日々の仕事が進むなか一時期閉じこもっていた広太が居酒屋の娘と結婚するとの話をお遍路の格好でしに来た。
 ボクは日々自分のできることをし続ける。