超高速!参勤交代

 幕府特に老中松平信祝(陣内孝則)から金山開発を隠していると疑われた磐城の弱小の湯長谷藩は5日以内に江戸に参勤せよと命令を受けた。実現しなければお家とりつぶしである。参勤からもどって間もない藩主内藤政醇(佐々木蔵之助)は家老相馬兼嗣(西村雅彦)の知恵を頼りにものすごいスピードで参勤交代をせざるを得ない。参勤の中心人物は7人にしてあとは現地で人を借りる、陸前浜街道、水戸街道などの道中は出来るだけ山道を使って駆け抜けるなどの工夫をせざるをえない。参勤交代の人数が集まらなかった高萩宿では同じ人間を何度も宿役人の前を通過させる。さらに山道は金目当ての雲隠段蔵(伊原剛志)が案内するが途中足を怪我した藩主内藤政醇だけがそのとき利用できた馬で先に宿泊地に立つ。最初の宿泊先で女郎お咲(深田恭子)が折檻をうけていたのを見た内藤政醇はお咲に一目ぼれして救い出す。しかしお尋ね者になっていた藩主はお咲にたすけられながらも寸前のところで逃げ出す。一方松平信祝の追手が家来たちに襲いかかり、家老相馬兼嗣・家来荒木源八郎(寺脇康文)たちは谷底に落ちたがどうにか全員助かるが約束の宿泊地を飛び越さざるを得なかった。藩主から金をもらった雲隠も道案内をそれ以上する必要がなくなったが、藩主内藤がお咲のために自分の命を引き換えようとしたのをみてこの藩主のためなら命もくれてやることにした。さて藩主も家来たちもそれぞれ別々に江戸に向かわざるを得なかった。家来たちは藩主なしで牛久の宿をこえようとするが大名行列がそろわない。しかしちょうど別の大名行列がきてその行列は内藤の本家であり、飢饉のときに助けてくれたお礼と言って大名行列を貸してくれることになった。あと1日のところでお庭番百人ほどに取り囲まれた家来たちは必死に行列を守る。雲隠も現れ応援する。藩主もやっとことで間に合い、超高速参勤交代により家老松平のたくらみをつぶし、将軍吉宗(市川猿之助)の信頼も勝ち取った。
 現実にはありえない話だが参勤交代の姿や人情がうまく描けていたと思われた。