相棒

 八丈島近くの孤島で民間軍事施設で一人の予備自衛官である訓練生が馬に踏みつけられ死ぬ事故があった。その島の所有者若狭道彦(宅麻伸)は防衛大学出身だが、防衛省に努めることなく民間人になり事業が成功したが、防衛省になにか負い目を感じており、自衛隊の乗馬で片足の障害にて自衛隊を退官せざるを得なかった神室司(伊原剛志)に働きかけその島での民間軍事訓練を任せる。防衛庁の研究施設から天然痘ウイルスが盗まれ貧者の核兵器と言われる生物化学兵器をその島で開発している可能性があるため、警察庁の甲斐峯秋(石坂浩二)警察庁次長は神戸尊(及川光博)の仲介で特命係の杉下右京(水谷豊)と甲斐亨(成宮寛貴)の二人に、亡くなった予備自衛官の死因を調べるという名目で島の調査にはいらせる。
 特命係の二人は死んだ場所の馬小屋を調べ、一人だけいた女性隊員高野志摩子(釈由美子)と亡くなった隊員との恋愛関係などの情報もはいる。さらにその隊員は本人の意思での入隊といいながら結局島の所有者であり、この防衛のための民間訓練組織のパトロン若狭に命じられたことがわかった。一方防衛庁族議員栗山(吉田朔太郎)から抗議を受けた甲斐次長は二人を呼び戻すという名目で捜査一課の3人伊丹(川原和久)、三浦(大谷亮介)、芹沢(山中崇史)をその島に派遣する。島で生物兵器の開発があった場合世間から防衛庁が叩かれるという心配をして訓練名目ということにして、特命係のふたりに呼ばれた米沢(六角精児)も含めて6人とも東京に強制的に連れ戻された。
  死んだ隊員が若狭のスパイであり、生物兵器を開発していたことを知られた神室隊長は馬の蹄鉄をはんだごてでくっつけた自分のステッキをつかってスパイである隊員を殺したことがわかった。特命の二人は事の真相を明らかにするため再び島にもどった。しかし防衛庁の後輩隊員とこの島の施設を守り犯罪を暴かないと密約した神室隊長は生物兵器を爆発させ証拠を隠滅する。しかし特命係は生物兵器については問題にできないが、神室隊長を殺人犯で逮捕する。ところが隊長が最後に言った必ず戻ってくるという言葉にひっかかった杉下は天然痘兵器が郵送されていることに気づき回収に成功し、防衛庁の不祥事まで明るみに出すことが出来た。
 防衛名目で破壊兵器をもつことは核兵器をもつことと変わりないと主張する神室隊長の言葉は確かにひとつの意見だがそれで本当に日本を守れるという保証はないだろう。