ゲノムハザード

 公募展の入賞と同時にデザイン会社に就職し、妻美由紀(真木よう子)と結婚した石神武人(西島秀俊)は自分の誕生日を祝うため家路を急いでいた。家に帰るとたくさんのろうそくが何か意味を持つかのように灯されていて、妻?である女性(中村ゆり)が死んでいた。慌てふためいているときに電話がかかり、その声は妻の美由紀であり「今日は実家に泊まる」とのことであった。そこに刑事と名のる黒服の二人組がやってきて石神を連行しようとした。玄関から家の奥に入った石神は妻の死体と血痕は消えていて一層わけがわからなくなる。黒服の二人に連行されたがなぜかわからぬが彼のことをオ・ジヌと呼んでいた。しかし石神は二人が刑事でないと悟り逃げ出し、途中ソウルからの記者であるカン・ジウォン(キム・ヒョジン)に助けてもらう。二人で妻が死んだかどうか確かめるため妻の実家に行くがそこは妻の実家ではなく、石神自身の記憶があいまいになっていくのを知る。
 イラストレーターのはずなのに化学薬品やその使い方に習熟している石神はわけがわからない。そこで妻を雇っていたカフェバーの経営者で美由紀の幼なじみでもある親友の伊吹(浜田学)に自分の実家に行くよう頼む。伊吹の留守中あの黒服の二人組に襲われる。その後伊吹が見知らぬ男(伊武雅刀)とあっているのを目撃する。彼は杉沢製薬ゲノム研究所の所長佐藤英輔博士だった。二人はどんな関係なのか?石神は自分の実家に帰るがそこには見ず知らずの夫婦が住んでいたのである。自分の頭が狂ったと思ったが科学知識が次から次に出現した。ようやくジウォンと自宅に戻ったが床のルミノール反応から昨夜の出来事は真実であったことがわかる。しかし再び二人の男たちが現れ彼を拉致しようとする。佐藤博士や伊吹は黒服二人の仲間なのかさっぱりわからない状況であった。その後ジウォンは石神が二人の人物であり、一人は上書きされたものではないかと考え始めた。本当の彼は別に妻を持ち、一人の妻が殺されたショックで二人の妻が重なったのではないかなどと石神に話すと石神は突然韓国でジウォンにまくしたてるのであった。石神も今は間違いなく自分は別の人物なのではないかと考え始めた。ジウォンは今の石神に、アートスクール時代の石神という人物がいて今の石神とは別人で、利き手も違うことを伝える。
 唯一の手掛かりの杉沢製薬に行くと突然七海(戸田昌宏)と名のる男にジヌと呼ばれ石神が本当はここの研究室の天才科学者で七海の同僚だったが1年前に疾走していたと言われる。彼は七海からジヌは記憶を残すウイルスを研究をしていたこと、そのウイルスによりアルツハイマーの治療に画期的な成果が得られることなどを伝えられた。それから石神は否ジヌは本当の妻はハン・ユリであり日本名西原由梨であることがわかる。妻の実家近くに怪しい男がいて捕まえると探偵であり、ユリからその探偵に、「夫は別の人物になっていて結婚もしていて、それは何故か?」という調査を依頼したらしい。ユリは夫の記憶を思い出させるためろうそくをつけ、その途中で殺されたのか?自分がジヌと確信したちょうどその時、謎の黒服のグループから今、妻美由紀と一緒にいるという脅迫電話がかかり、会いにいったが今や美由紀は彼の妻ではないとう感じであったが、ジヌは謎の黒服たちに韓国に連行されそこで製薬会社の協力者ユ・ガンシン(イ・ギョンヨン)にあわされ、薬の共同開発を強要される。彼らはジヌの上司佐藤博士が本当の石神をなぜか大怪我させてしまって研究優先するあまり彼を記憶の研究に使おうとしていて、その佐藤の行為を止めさせようとしてもみ合っているうちに佐藤はジヌに石神のウイルスを注射した場面の監視ビデオをジヌに見せる。杉沢製薬にアルツハイマーの薬を開発されてはこまる製薬会社シェトンはガンジンに杉沢製薬をスパイさせるなかこのビデオを入手したのだがこの記憶ウイルスが記憶を残し続けるという作用を持つことに大変な価値を見出す。そのためジヌが必要だったのである。
 しかしそのウイルスは1年の効果であり、副作用として前の記憶も消えるという失敗作であった。記憶が消える前に佐藤にあって事実を問い詰めた結果、博士の犯罪告白ビデオをとる。そのスクープをジウォンに渡したジヌは妻ハン・ユリがなぜ死んだのかを美由紀の幼なじみの伊吹から聞き出す。実はユリは石神になった夫の家にやってきて美由紀に夫を返すよう懇願する。そんなユリと揉みあっているうち美由紀がユリを突き飛ばした拍子にユリは頭部打撲で死んでしまう。その処理を美由紀から頼まれた伊吹が処理しようとしているときにジヌその時は石神が家に帰ってきたのである。記憶に混乱も生じていた石神がユリをどうしようか混乱しているときに刑事と名乗る二人組がやってきて、そのすきに伊吹は遺体を窓から落とし処理したのである。
 1年後ジウォンはジヌと会うが完全に記憶をなくしていた。
 記憶を残すウイルスは物質的なものであり、言語記憶まで残せるかは将来の夢であろう?記憶にも言語記憶、体験記憶(感覚・知覚、情動など)、身体記憶などがある。