人類資金

 第2次世界大戦終戦間近のころ、日本軍が米国と争って得た現在の額にして10兆円近くの金(きん)を笹倉雅美大尉は日本の本土決戦のための金として現地司令官に託され、自分の判断で日本再興のために海底に沈める。しかし笹倉はそのお金を世界の貧民のために使うよう努めてきたが、戦後そのお金のことを牛耳っていたのは米国であり、その米国のシンジケートはそのお金を世界資本主義のため使うよう息子の笹倉暢彦(中代達也)に求め、暢彦はなすすべもなく米国シンジケートの言うがままであった。しかしその子供のM(香取慎吾)はお金の使い方に疑問を感じ世界放浪していたときにカペラ共和国の子ども石優樹(森山未來)を助けた。その子供は家族も失い、学もなかったがMの世話で見事に教養を身に着けていた。
 一方真船雄一(佐藤浩一)は相棒のやくざ酒田(寺島進)と手を組みいまだにM資金詐欺をしていたが最近はひっかかる企業はなくなっていた。そのM資金については彼は本当に信じていた。ある日そのM資金を動かし最貧国カペラ共和国の国民にどこでも使える携帯をプレゼントすることを考えたMとその仲間本庄和義(岸部一徳)は真船に50億の謝礼と引き換えにM資金を引き出すことへの加担を真船に頼む。ロシアにいるM資金日本財団国際文化振興会の職員鵠沼英司(オダギリ・ジョー)の焦げ付きを利用しM資金を利用してお金を集める詐欺に加担しているうち、日本の防衛相秘密組織が動き、米国のシンジケートと協力してあの手この手でこの計画を妨害し本庄を殺し、M実は笹岡の息子を捕捉する。秘密組織のなかにはM資金隠ぺい時に立ち会っていた日系米国人ハリー遠藤(豊川悦司)の子孫遠藤治(ユ・ジテ)は米国側としてはいっていたし、笹岡の恋人高橋美由紀(観月ありさ)も日本側として入っていた。米国側はカペラ国の信用を落としテロ国家と名指して武力行使をするため世界がその国に関心を向かわないようにするが、真船は貰ったお金50億を使って石油が出たなどと株式をあやつり世界の注目をあつめようとする。
 真船は自分のお金の今までの使い方に疑問を感じていたのか、カペラ国出身のMの部下石と協力してMの恋人美由紀にも協力させ米国に乗り込み、捕まったMすなわち笹倉暢彦の息子を取り戻そうとする。父親暢彦も最後は息子に協力しM資金を使ってカペラ国を世界に注目させ米国にテロ名目で攻め込まさないようにするため、米国のシンジケートの日本対応の代表者(ヴィンセント・ギャロ)を証拠を使って無理矢理カペラ共和国に手を出させないようにさせかつMを始末させないよう働きかける。
 最後に石はカペラ共和国の国連代表として演説しようとしたが多くの国が米国の工作により会議場を出ようとした。石はカペラ共和国の国民の一人一人の大事なもの家族の顔と最貧国の現状をプレゼンテイションし始めて国連の大拍手をあびる。米国のM資金の使い方への反発はこうして貧しい国への使い方すなわち携帯を国民一人一人に与えるというやり方を生み出し成功させる。