真夏の方程式

 手つかずの美しい海・玻璃が浦を守ろうとしているグループがいる一方、海底資源を開発しようとする企業側との対立が玻璃が浦では激しくなっていた。アドヴァイザーとして呼ばれた帝都大学物理学科准教授の湯川学(福山雅治)は川畑重治(前田吟)、妻節子(風吹ジュン)、娘成実(杏)の経営する緑岩荘に泊まることになる。
 緑岩荘で川畑家と親戚の少年柄崎恭平(山崎光)と出会った湯川は普段は子供嫌いだが、恭平に対してだけは色々教えてあげることになる。
 次の日、堤防下の岩場で変死体が見つかる。その身元は引退した元捜査一課の刑事・塚原正次であり、彼は15年前に起きたある殺人事件の犯人で服役をはたし出獄した仙波英俊(白竜)を追っていた。湯川はこの事件の不可解さを感じていたところ、捜査一課の岸谷美砂(吉高百合子)が上司の命令で湯川に協力してもらって捜査することになる。塚原の死因は脳挫傷でなく一酸化中毒であることがわかり他殺とわかる。川畑があやまって塚原をボイラーのガスで殺してしまったことを自白した。しかし塚原の足取りを追ううちに仙波は川畑と知り合いであり、妻節子が川畑と結婚する前に仙波と付き合っていたことも分かる。さらに娘成美が仙波の子供であり仙波の妻が成美にそれをほのめかしたこともわかる。仙波の妻が成美に会った後殺され、仙波が自分の娘・成美の身代わりになったのであった。川畑はそれらを知らないようにふるまいながら、成美を本当の自分の子供と思っていたため見て見ぬふりをしてきた。それらの事実を隠しておきたいため、事件の核心に迫ってきた塚原を事故に見せかけ、自分の足が不自由のため甥の恭平にも煙突をふさぐのを手伝わせて殺したのであった。
 一方成美は自分を庇ってくれた仙波や父母の気持ちを受け入れ、環境保護運動に没頭していたのは仙波にこの美しい海を見てもらいたかったという深層心理が働いていたのだろう。