「プロミス」

 死体が散乱する戦場で一人の少女が食べ物を漁っていた。それは病気のお母さんにあげようとしたものだった。饅頭を見つけた少女は一人の少年に饅頭を奪われるが、私の奴隷になれば食べ物を返してあげようと言われ、仕方なく受け入れるが饅頭を手にするや約束を破って逃げてしまう。その途中その少女は饅頭を湖の中に落として悲しんでいるところに運命の神・満神(チェン・ホン)が現れ、「世のすべての男性から好かれる姫にしてあげましょう。但し本当の愛は得られないでしょう。」と告げられ少女傾城は「はい」と答える。
 華の甲冑を身に付けた大将軍光明(真田広之)は連戦連勝してきたが、今回の敵は味方の何倍も多かった。そこに天から俊足を与えられた奴隷の昆崙(チャン・ドンゴン)が出現し、彼の活躍によって勝利を得る。そのため光明は昆崙に自分の奴隷になるよう命じた。やがて光明のもとに王が北の将軍無歓(ニコラス・ツェー)に攻められ、王の寵愛を受けていた姫傾城(セシリア・チャン)を奪おうとしているという報告が来た。それを聞いた光明は昆崙を連れて王を助けに急ぐ。途中光明は刺客鬼狼(リウ・イェ)に負傷を負わされる。光明は昆崙に命じ自分の甲冑を着て王を助けに行くよう命じる。   
 昆崙は光明の華の甲冑を着て城に入り、光明と誤解された昆崙は王を助けようとした時に傾城を気に入り、王の犠牲になりそうだった傾城を助けるため、無慈悲な王を殺してしまう。北の軍隊に追われた昆崙は傾城に死ぬなといって、崖から飛び降りる。その後光明は王殺しの罪を被り引退をせざるを得なくなった。一方生きていた昆崙は無歓が実権をにぎっている城まで再び傾城を取り返しに行き鬼狼に殺されそうになるが、昆崙が鬼狼と同族の北の民だったため鬼狼は二人を逃す。光明の所に戻った傾城が自分の命の恩人ということで二人は愛し合う。光明は傾城を救ったのは自分でないとは言えず傾城を愛する故に傾城をだまし続ける。
 傾城を愛していた昆崙は二人と別れ鬼狼に連れられ故郷に帰るがそこで昆崙の母親や妹、同族が無歓に皆殺しにされたことを知る。実は鬼狼はただ一人命ほしさに北の将軍無歓の黒マントを着て奴隷になった北の民の生き残りであった。
 ある日光明の元部下が光明の所にやって来て「やはり大将軍はあなたしかいない。無歓ではだめだ。」と言われ城に帰ったがそれは光明、傾城をとらえる策略だった。無歓に敵意を抱いた昆崙が一人お城に忍び込み傾城を救おうとするが無歓に捕まるところを鬼神は黒マントを脱いだら死ぬにも拘わらず、自分を犠牲にして昆崙を救う。しかし最後には光明、傾城、昆崙3人とも無歓に捕まり殺されそうになるが、光明が無歓の奴隷になると言って縄をほどかれた瞬間無歓に一撃を加える。二人が闘っている間に昆論の縄もほどかれ、光明は致命傷を負い、無歓は亡くなる。亡くなるまえに、傾城に饅頭を返すから奴隷になれといって騙されたあの少年が無歓であり、それ以後人を信じれなくなったと語ったのである。傾城を愛しながらも偽りの愛と思っていた光明も最後は傾城と昆崙の二人が愛し合うことを許して死んでいく。
 昆崙も重症であったが黒マントを着て生き返り、真実を知った傾城と添い遂げることが出来たのである。
 この映画は運命に愛はうち勝つというテーマであるが、ある愛が成就するのにどれだけ多くの犠牲が必要かも言いたいのだろう。さらに運命、無極に支配される人間の哀しさも描いている。