「親切なクムジャさん」

 親切なクムジャさんと呼ばれている女性(イ・ヨンエ)はサンタクロースの衣装を着た聖歌隊や伝道師に迎えられて13年間服役した刑務所を出所する。しかしクムジャは刑務所のなかで親切だった態度と全く違っていて何か特別な冷たい意志を持っているかのようだった。クムジャは幼児誘拐殺人で服役していたのである。高校時代に妊娠したクムジャは教育実習のペク先生(チェ・ミンシク)に助けを求めたがこのペク先生が悪人で身代金目当てにウオンモ君誘拐殺人をしたのだが、クムジャはその犯罪を手伝わされた。さらにクムジャの子供も殺すと脅かされ罪を一人で被るのである。クムジャは刑務所生活で相当辛酸を嘗め、自分の人生を狂わせたペクに復讐を誓うのである。そのため苦しんでいる囚人に親切にし自分の復讐計画を手伝って貰う準備が徐々にできてきたのである。
 出所後先ず始めにウオンモ君の両親を尋ね自分の指を切って、許しを乞う。次ぎに刑務所でケーキ作りを教えてくれたチャン(オ・ダルス)の店で働き始める。働きながら自分の娘ジェニー(クオン・イェン)の居場所をつきとめ、オーストラリアに養子に貰われたことが分かり会いに行く。帰り際どうしても韓国に行くと言い張ったジェニーを連れて帰る。クムジャは囚人仲間に助けられ現在子供英会話教室の先生をしているペクの居場所を知り、仲間の一人イジョン(イ・スンシン)がペクと結婚をしたのである。クムジャとイジョンが会っているという情報をあの伝道師(キム・ビョンオク)がペクに売り、ペクは二人の男を雇いクムジャを殺そうとした。しかし根性の坐っていたクムジャは反撃し、さらにイジョンに薬をもられて気を失ったペクはクムジャに捕らえられ山の廃校に監禁される。そこでペクの携帯電話のなかに子供達の声が入っていたり、ウオンモ君のビー玉がストラップにされているのをみたクムジャはペクの家を調べ犠牲者が他にもいることが分かる。ペクに復讐したい犠牲者の家族と真犯人ペクを捕まえられなかった警察に疑問を感じていたナム・イル刑事を山の廃校に呼び出し、ペクの家から持ち出した子供殺害ビデオを家族に見せみんなでペクをどうするか相談する。
 結局何も出来なかった警察に頼むより遺族全員がペクを殺し復讐することに決定した。復讐を実行した後、ケーキ屋に集まりペクの財産を山分けし各家族は三々五々別れる。復讐を終わってジェニーと別れることになるその朝は過去を洗い流すかのような雪が降っていた。
 復讐が終わった後、人はそれに変わりうる意志を生み出すのは並大抵では出来ないし、虚脱状態になるのではないか?昔の敵討ちはその行為によってみんなの賞賛もあったが、現在では賞賛されることはなくなっているのだからその人の怒り・悲しみを治めるのに一番いい方法は何だろう。