岩倉

 岩倉は古代の磐座(いわくら)信仰(天から降臨した神が巨石に安座するというもの)に基づくものであり、平安京造営時に京の四方の山上に一切経を納め東西南北の名を冠する4つの岩蔵が設けられた。左京区岩倉もこの地にその岩蔵の一つが置かれたことに由来するともいう。平安時代の文献には「石蔵」として現れ、「岩倉」となったのは鎌倉時代以降である。他には「岩蔵」「石倉」「石座」などの表記もあった。このように京都には四岩倉があり、東は東岩倉山(左京区粟田口)、西は西岩倉山金蔵寺(西京区大原野)、南は明王院不動寺(下京区松原)、北は、山住神社(左京区岩倉)の四カ所である。しかしこれらの岩倉(盤坐)よりも、松尾大社の盤坐が有名です。奈良では三輪山自体が神であり、山・岩が神体であったり、神が宿る場所であったりする。日本人はこのように古くから自然に深く神性を感じる。