京都と仏教

 京都御所の丑寅の方向にあり御所をひいては京都を守っていると考えられた比叡山は天台宗の最澄が開山した。この台密と言われる宗派から臨済宗栄西、曹洞宗道元、浄土宗法然、浄土真宗親鸞、日蓮宗日蓮が輩出され、明恵などの高僧も修行している。一方空海は朝廷の支持のもと高尾神護寺や東寺で修行している。このように天台宗、真言宗は平安時代から天皇家・貴族に信仰されてきた。さらに京都は臨済宗系の南禅寺、天竜寺、相国寺、建仁寺、東福寺、妙心寺、大徳寺などの大本山をかかえている。また浄土宗の知恩院、浄土真宗の西・東本願寺などの大寺院もひしめきあっている。やはりこれも御所が京都にあったからであり天皇家・貴族との結びつきが仏教の興隆を支えてきた。しかし町民の宗教日蓮宗と農民の宗教浄土真宗、武家が信仰した臨済宗などが室町時代に宗教戦争に近いものを引き起こしている。桃山時代には秀吉により寺町にお寺が集められた。徳川家は浄土宗と東本願寺などに援助してきている。相国寺の塔頭である金閣寺・銀閣寺、妙心寺の塔頭・竜安寺は世界遺産でもある。日本ではこれだけの文化的営みを仏教が担っている。