京都の古墳

 天皇の杜古墳は,4世紀代に築造された市内で最大級の数少ない前方後円墳で,桂川右岸を支配していた豪族の墳墓と思われる。地元では文徳天皇(平安時代の天皇)の御陵として語り継がれ,また御陵さんの呼び名で今日まで守られてきた。京都市ではこの天皇の杜古墳の保存と活用を図るため整備をしている。
 蛇塚古墳は右京区太秦面影町にある横穴式前方後円墳である。全長75メートルにおよぶが、今は封土がなくなり巨石を積み上げた石室が露出していて明日香の石舞台古墳に次ぐが、高さ・幅ではそれをしのぐ。7世紀初めに築造された秦氏一族の首長墓と推定される貴重な遺跡である。
 天智天皇陵は京都市内からだと、京都市営地下鉄東西線で御陵(みささぎ)駅下車、もしくは京阪電鉄京津線「浜大津」行きで山科下車。徒歩10〜15分。こんもりとした森の中にこの御陵はある。御陵の前に石の「日時計」があり、影で時間を計るようになっているようだった。天智天皇の子孫の桓武天皇が京都に都を築くのも当然関係しているだろう。
 日本の豪族は古墳を作って当時生きていたことを感じさせてくれている。このように京都は決して平安京以後だけではない。